「Du」
ドイツ語にあって、英語にないものを一つ上げるとすれば、この「Du」という単語です。
ドイツ語学習者が必ず悩む単語の一つですね。
ドイツ語には、二人称単数を呼ぶ時、英語で言うYouが、2種類あります。
一つは「あなた」という意味のSie(ズィー)というもの。
そしてもう一つが、このDu(ドゥー)です。
私は関西人なので口ではあなたといいながらも、頭の中では「あんた」と訳しています。
だいたいの人間関係は丁寧なSieからスタートします。
そしてお付き合いが始まって、どこかの地点で、年上から年下へ向けて、または、上司から部下に向けて、はっきりと
「これからはズィーではなくドゥーで呼び合おう!」と宣言されます。
これをきっかけに、その二人は、同僚という見えない距離感がある関係ではなく、信頼できる仲良しになるのです。
気がついたらなんとなくそうなっているというのは、あまりありません。
もちろん、酒場で知り合ったなど、「最初からドゥーで行こうぜ」みたいな人もいます。
間違えてはいけないのは、
例え距離感が遠くても、そして上司の家族であっても、
子どもは最初からドゥーなのです。
私たち日本人も、知らない子どもでも親しい言葉かけをしています。
そして、もう一人、最初からドゥーを使う相手・・・
神様です。
神様はあがめたてまつるものではなく、一番身近にいる存在であり、対等なのです。
写真は「アイゼナッハ バッハの生家」2007年撮影