みなさんおはようございます。第29回の放送はいかがでしたでしょうか。非常事態で使うドイツ語をご紹介してきましたが、私たちが間違えやすい「病院」についてのお話です。
きょうのまとめ
・病気になったら「Arzt/医者」へ行くこと ・Krankenhaus/病院へ行きたいと言ってはいけない ・医者が見つからないドイツ・オーストリア |
病気になったら「Arzt/医者」へ行くこと
ドイツ・オーストリアで病気になったら、まずはArzt/医者を探しましょう。このArztという単語はお医者様を意味しますが、日本で言う「近くの〇〇医院」も意味します。
ですので、まずはArztを希望して、Arztを捜してください。ホテルなどで具合が悪くなった時も、Arztという単語を言うように努めてください。決して「病院へ行きたい。」を電子辞書などで直訳してはいけません。
Krankenhaus/病院へ行きたいと言ってはいけない
辞書やグーグル翻訳などで、日本語からドイツ語へ「病院」と検索すると、Krankenhausが出てきます。しかし、このKrankenhausは、日本で言う「大学病院」「大病院」「総合病院」であり、通常は紹介状を要したり、救急車で運び込まれるような場合に行く場所です。
もちろん、真夜中の急な腹痛で動くことさえできない場合は行かれてもいいと思いますが、普段はいきなり行かない場所であるということを理解してください。
なので、「ちょっと病院行っておいた方がいいんじゃない?」みたいな言葉をKrankenhausと訳してはいけないのです。その場合はArztです。
医者が見つからないドイツ・オーストリア
日本では町中に「〇〇医院」や「△△外科医院」「××耳鼻咽喉科」、または「☆☆クリニック」という看板がすぐに目に入ります。住所がわかっていれば、個人医院を探すのは、それほど難しくありません。通常看板が出ていますし、一軒家だし、駐車場もあります。町の医院の特徴的なスタイルというのがありますね。
しかし、ヨーロッパの町を歩いていても、そのような医院の看板をみかけたことがありません。しばらくはどこにあるのか、見当もつきませんでした。
病院の看板は、マンションなどの建物の入口の小さな板に刻印されているだけなのです。ウィーンなどは、そのほとんどがマンションですので、マンションの1階入り口に、他の住人の名前よりも少し大きめの板に、医者の専門と名前、診療時間などが書かれているだけで、それ以外は何もありません。呼び鈴を鳴らして建物に入り、普通の家に行くような感覚です。もちろん医院以外の家には、全く関係ない人達が住んでいます。
私が住んでいた建物も1階は外科のお医者様でした。毎日通る場所なのに、そこが医院だと気がつくまでに半年くらいかかりました。
次回 第30回は「ドイツ語の発音 ウムラウトのコツ」です。
写真 「シュタイヤーマルク州/オーストリア」2020年撮影