みなさんおはようございます。第31回の放送はいかがでしたでしょうか。今回はちょっと大げさなタイトルをつけました。ドイツ語の動詞の活用によるグループ分けを理解し、その分量を知ることで後々、勉強が楽になるお話です。
きょうのまとめ
・ドイツ語の動詞には、活用の仕方によって4種類(正確には5種類)ある。 ・全体の60~70%を占める規則的な「一般動詞」 ・全体の20~25%を占める一部不規則な「一般動詞の不規則活用」 ・5個だけ覚えてほしい「不規則動詞」 ・7個だけ覚えてほしい「助動詞」 ・活用の問題ではないのですが特殊な「分離動詞」 |
ドイツ語の動詞には、活用の仕方によって4種類(正確には5種類)ある。
ドイツ語の日本語とは大きく違う部分。それは動詞です。
違いを表にしてみましょう。「私は行きます。」を活用してみます。色をつけている部分を比べてください。
日本語 | ドイツ語 |
私は行きます。 | Ich gehe |
君は行きます。 | Du gehst |
彼は行きます。 | Er geht |
私たちは行きます。 | Wir gehen |
君たちは行きます。 | Ihr geht |
あなたは行きます。 | Sie gehen |
どうでしょうか?日本語はすべて「行きます。」でいいのに、ドイツ語は動詞が活用しています。ドイツ語は動詞が人称によって変化するのです。では、次に変化による区分をみていきましょう。今日はおおまかな説明だけです。詳しくは第33回からになります。
全体の60~70%を占める規則的な「一般動詞」
まずは、この一般動詞の活用を覚えましょう。この活用を覚えれば、全体の7割を覚えたことになります。一般動詞の規則的な活用は以下の通りです。
まず最初に動詞の不定形からenを取ります。
その後「e・st・t・en・t・en」エストテンテンをつけていきましょう。
Ich | わたしは来ます。 | komme |
Du | 君は来ます。 | kommst |
Er,sie,es | 彼、彼女、それは来ます。 | kommt |
Wir | 私たちは来ます。 | kommen |
Ihr | 君たちは来ます。 | kommt |
Sie(sie) | あなたは(彼らは)来ます。 | kommen |
全体の20~25%を占める一部不規則な「一般動詞の不規則活用」
この一部不規則な動詞は全体の20~25%を占めています。しかしながら、不規則な活用をするのは、上の表で言えば、2段目のDu、そして3段目のErの段だけになりますので、それ以外は上と同じ規則的な活用をします。代表的な例を一つあげておきましょう。
例 fahren →enを取ってfahrが残る。
Ich | 私は | fahre |
Du | 君は | fahrstではなくfährst |
Er,sie,es | 彼は、彼女は、それは | fahrtではなくfährt |
Wir | 私たちは | fahren |
Ihr | 君たちは | fahrt |
Sie(sie) | あなたは(彼らは) | fahren |
2段目、3段目だけAがウムラウトに変化しているのにお気づきでしょうか?他にどんな変化があるのかは、第34回の放送で、実際の活用をご紹介する予定です。
5個だけ覚えてほしい「不規則動詞」
活用に癖がある動詞が5個あります。そのうちの一つはsein動詞です。第35回の放送でご紹介しますが、これらの動詞は、「生活の中で大切な動詞」なので覚えてほしいのです。
7個だけ覚えてほしい「助動詞」
助動詞は7個あります。ただ、不規則な変化をするのは1・2・3段目だけ。そして1・3段目は同じになります。4・5・6段目は規則的な変化をします。
活用の問題ではないのですが特殊な「分離動詞」
分離動詞は、活用は上記のどれかにあてはまるのですが、真ん中からスパッと二つに分かれるという特徴があります。基本となる動詞に前置詞などをつけて、より詳しく状況を説明できるようになります。
これら動詞の区分と、変化の特徴を覚えておけば、ドイツ語学習の大きな壁の一つを超えたことになります。ぜひ一緒にくり返しながら覚えていきましょう。
次回 第32回は「ドイツ語で一番大切なこと 動詞の場所は2番目」です。
写真 「イースターの出店/オーストリア」2008年撮影