第32回放送「ドイツ語で一番大切なこと~動詞は2番目」

みなさんおはようございます。第32回の放送はいかがでしたでしょうか。今回はドイツ語を学習する上で【最重要】なお話です。動詞が2番目ということはどういうことなのか?一緒に見ていきましょう。

きょうのまとめ

・ドイツ語の文章を作る時に一番大切なこと「動詞は2番目」

動詞が2番目に来る。私は、これまでドイツ語を勉強してきて、この「動詞は2番目」が何よりも大切なことだと思っています。もちろん、他にも大切なことや、約束事はあると思いますが、なによりも「動詞は2番目」。これが大切です。そしてこの約束をいつも覚えていることが、文章を訳したり、作文したりする時、本当に役に立つのです。

本当に大切なことなので、もう一度書きます。

「動詞は2番目」

では、どのように2番目なのか、一つずつご紹介していきましょう。一緒に学習している皆さんは、まだこの段階でそれほど単語数がない方もいらっしゃると思います。どうぞ、単語の意味や、変化などは後回しにして、動詞の場所だけに注目してください。


■英語にはない語順の変化

英語で「私は妹と学校へ行く」は、I go to school with my sister. になります。

英語の苦手な私が知っている限り、To school go I with my sister.は聞いたことがありません。

ドイツ語では Ich gehe mit meiner Schwester in die Schule.になります。

Ich(私は) gehe(行く) mit meiner Schwester(妹と) in die Schule(学校へ).

そして、ドイツ語では動詞が2番目という規則の元、前後の入れ替えが可能なのです。つまり

1番目2番目3番目4番目
Ichgehemit meiner Schwesterin die Schule.
Mit meiner Schwestergeheichin die Schule.
In die Schulegeheichmit meiner Schwester.

このように語順を入れ替えても大丈夫なのです。「妹」や「学校」を最初に言って、強調したい時にいいですね。

この場合、前置詞 in 、mit 、そして冠詞や定冠詞だけでは意味をなさないので、In die Schule、Mit meiner Schwesterというセットで考えますので、動詞gehe が2番目に来ていると考えます。


【中級】二つの文章を作る時にも、動詞が2番目に来ているということが大切なカギ

二つの文章をつなげる時、この「動詞は2番目」が大切な役割をします。「私は病気なので学校へは行かない。」という文章を作ってみましょう。この文章はドイツ語にした時「私は学校へいかない」+「私は病気です。」という二つの文章を、weil(なぜなら)という接続詞を使った副文を、主文につなげます。

1番目2番目3番目4番目5番目6番目7番目8番目
Ich
私は
gehe
行く
nicht
否定
in die Schule,
学校へ
weil
なぜなら
ich
私は
krank
病気
bin.
です

「私は学校へ行かない。」が主文ですので、主文の動詞が2番目に位置しています。

そして副文「なぜなら病気だから。」の動詞は主文ではないので2番目に来ることができませんので、接続詞weilを使う時のルールとして、副文の一番最後に来ています。

では、上の文章をドイツ語の「動詞は2番目」というルールをもとに動かしてみましょう。

1番目2番目3番目4番目5番目
Weil ich krank bin,
なぜなら病気だから
gehe
行く
ich
私は
nicht
否定
in die Schule.
学校へ

お分かりになりますでしょうか?先に副文で学校へ行けない理由を持ってきています。しかしこの文章は副文なので、最後に動詞(bin) が来ています。そして、この副文全体を1番目と考えて、主文の主語と動詞がひっくりかえり、2番目の位置に動詞geheが来ています。


これから「60歳からはじめるドイツ語」でも文章を作る時に、何度も「動詞は2番目」と言っていくと思いますので、そこに気をつけながら作文、また読解をしていけるようにしましょう。


次回 第33回は「動詞を覚えましょう 一般動詞」です。

写真 「春の代表亭な花フリーダー/ウィーン・オーストリア」2008年撮影

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