みなさんおはようございます。第96回の放送はいかがでしたでしょうか。レストランでのお支払いの方法をいくつかご紹介しましょう。
きょうのまとめ
・レストランでの食事は時間がかかる ・お会計お願いします! ・チップの考え方 チップを含めた払い方 ① チップを含めた払い方 ② ・カードで払う時 ・チップを払いたくない時 |
レストランでの食事は時間がかかる
ファストフードなどや、セルフサービスのレストランでない限り、レストランでの食事は大変時間がかかります。食事の後に、コンサートなど時間の決まった予定を入れている時は、ゆっくりした時間を楽しむレストランでの食事は、 平均2時間~3時間は見なければなりませんので、避けた方がいいでしょう。
なぜ、そんなに時間がかかるのでしょうか?昔、ある旅行会社の調べで「日本人はレストランで6分たっても食事が出てこないとイライラしてボーイを呼ぶ。」と言われていました。きっと今はもっと短い事でしょう。ヨーロッパでは、入店してからテーブルに来てくれるまで10分以上。食事が運ばれるのも20分以上。お会計をお願いしてテーブルに来てくれるのも、また20分、お会計をしたいのになかなか来てくれない。私の経験で一番ひどい時は、我慢できずに立ち上がってボーイさんを捕まえ、その場で全部支払った記憶さえあるのです。(バスに乗らないと家に帰れない状況でしたので。)
時間がないけど、何か食べてからコンサートへ行きたい。そういう時は、近くのパン屋さんやケーキ屋さんで何か買ってきてホテルで食べる。または、カフェならなんとか1時間以内で軽食やスープとパンにありつけます。もちろん、ファストフード店は日本と同じです。注文さえできれば、短時間で食事ができます。
また、ウィーンの国立歌劇場やフォルクスオパーは休憩時にカフェがオープンします。(現在のコロナ禍の状況は不明)ÖBB(オーストリア国鉄)やDB(ドイツ国鉄)の長距離列車には食堂車や売店があったりします。そういうものも時間を気にせず利用できますね。
お会計お願いします!
お会計お願いします!はカフェでのいい方と同じです。
Zahlen bitte!
の「ツァ」を目立たせるいい方で、お会計の意志がありますよと伝えましょう。
チップの考え方
特にオーストリアは、まだまだチップの習慣が残っています。食事料金の10~20%を含めたお支払いをしましょう。日頃の生活にチップの習慣がないので、個人的にはチップの値段を決めるのも、実際に渡すのも何度やっても慣れないものです。
学生時代、レストランのクロークのアルバイトを数か月したことがあります。コートなどを預かる仕事です。1着100円~最大で1000円いただいたこともあります。チップだけは本当に人によって違うのです。またサービスに対して支払われるものですので、いいサービス、特別なサービスを受けたと思ったら多めに支払うようにしましょう。
では、いいサービス、特別なサービスってなんでしょうか?
日本では当たり前のことが、チップに相当するサービスなんです。スムーズにお料理を運んでくれる。窓際の席を用意してくれた。落としたナイフを交換してくれた。お薬の飲みたいから水道水を頼んだ。テーブルクロスを汚した。トイレを使った(トイレ担当の人がいれば払います)。嫌いなものを変更してくれた。タクシーを呼んでくれた。
しかし、お水もらっていくら、ナイフ交換していくら、という値段はありませんので、チップになるわけです。
チップを含め払い方①
例えば食事代が83ユーロだった時、チップを含めて100ユーロ支払いたい時は、100ユーロ紙幣を渡しながら、次のように言いましょう。
Simmt so! |
Stimmt schon! |
どちらも「これで合っています。」「これで結構ですのでお取りください。」という意味がありますので、Danke schön!といって、蛇腹の大きな財布に100ユーロ札がしまわれていきます。言い忘れていると、手慣れたボーイさんはお釣りをゆっくり探しているように思います。その間に気がつき、あわててチップを含めた額を言うと Danke schön! と返ってきます。あれは絶対にお釣り探してないなといつも思うのです。
チップを含めた払い方②
食事の合計が83ユーロでチップを含めて90ユーロ払いたいのに100ユーロ紙幣しか持っていない時は、次のように言いましょう。
90 Euro bitte! |
支払いたいチップを含めた金額をビッテといって申告すればいいだけです。お釣りが10ユーロ返ってきます。簡単ですね。
カードで払う時
クレジットカードを使って支払いたい時は、次のように言いましょう。
Kann ich mit der Karte bezahlen? | カードでの支払いはできますか? |
Ja,またはNeinで返事が来ます。他にも Selbstverständlich / Freilich / Natürlich / Allerdings などいろいろな返事がありますが、どれも「当たり前ですよ」「もちろんですよ」という意味ですが、ボーイさんの顔を見ていれば、カードでの支払いができるかどうかわかります。
ただ、カードの支払いはお店そのものの銀行などに入金されるものです。ボーイさんには入りません。ですので、カードでの支払いをする場合は、帰る時にテーブルの上にさりげなくチップ相当額を置いていきましょう。
チップを払いたくない時
チップは払って当たり前という文化圏です。食事だけではなく、トイレやタクシー料金、空港や駅などで荷物を運んでくれる方や、ホテルの清掃に至るまで、あなたの為に人が動けばチップが必要です。
しかし、時にはチップなどとんでもないと思うようなことがあります。チップは必ずではありませんので、払わないということもOKです。しかし、現地の方や、私なども、抗議の意味を込めてやっているのが、
最低限のチップ相当額をすべて小銭で払う。
テーブルの上にじゃらじゃらと小銭が積まれているのです。いい気分ではありませんね。でも、こちらは旅先でたまっていく小銭を使えるので財布が軽くなり助かるのです。くれぐれもサービスが悪い時だけお願いします。
次回 第97回は「過去分詞とは?」です。
写真 「市庁舎/ウィーン・オーストリア」2008年撮影