きょうのまとめ
・犬にたどり着いた(犬に行きついてしまった) |
犬はかわいいペットであり、家族の一員になっている今、犬を使った慣用句をご紹介するのはちょっと心苦しいのです。ドイツ語の慣用句において「犬」が出てくる言葉に、いい意味を持っている文章はほとんどありません。今回も日常生活ではほとんど使わない、いえ、こんな言葉を聞いたらたいへんなので、耳にする機会がない方がありがたいのです。
犬にたどり着いたという慣用句ですが、例えば「彼は犬にたどり着いたよ」なんて言い方をします。
Er ist auf den Hund gekommen.
これは、経済的に困窮した状態にまでなってしまった、事故や、健康などを害してたくさんお金を使ってしまい困窮しているということを意味します。
では、なぜ犬なのでしょうか?
それは、家の中のお金を大切にしまっている箱から由来します。海賊映画などに出てくる宝箱を想像してください。そんなに大きくなくても、大切なお金をしまっておく箱の、内側の底には絵が描かれています。お金がすぐになくなってしまわないように、犬の絵が描かれていることが多いのだそうです。つまり「番犬」ですね。それによって、泥棒をけん制したり、自分自身の無駄使いもいさめる効果を期待しています。
誰かが、病気をしたり、仕事に行き詰って、宝箱や貯金箱のお金をどんどん使わねばならず、とうとう箱の底に描いてある犬の絵を見るまでになってしまった。それが「犬にたどりついた」つまり「経済的にどうにもままならない状態になった。」ということなのです。
新築物件に入居したとたん台風に見舞われて浸水、そのまま引越し・・・ローンだけが残る。そんな時、どうぞ使ってください。
訂正とお詫び
公開日にご指摘をいただいてすぐに訂正をいたしましたが、当初auf dem Hund と3格支配で記載しておりました。
正しくはauf den Hund です。お詫びして訂正します。
またYou Tubeの動画の方も訂正をして差し替えています。ご確認ください。
次回は、第125回 動物を使った言い回し「猫がでかけると・・・」