第135回放送 「3格の前置詞~nach,zu」

今日のまとめ

・どちらも方向性を示す

・nachの特徴と例文

・zuの特徴と例文

どちらも方向性を示す

方向性を示す前置詞には、他にもいろいろあり、in/auf/anもあります。今週は3格の前置詞を扱っていますので、nachとzuについてみていきましょう。

nachもzuも他の意味もたくさんありますが、場所を表す前置詞の役目としては「~へ」です。

Ich fahre nach Deutschland./私はドイツへ行きます。

Ich gehe zur (zu der) Bank./銀行に行きます。


nachの特徴と例文

nachを使う時は、nachの後ろに国名、地名(どちらもder,die, dasなどの冠詞が付かないもの)が来ることが多いです。nach Deutschland, nach Österreich, nach Tokyo, nach Barcelonaなどです。

同じ国名でも、トルコはdie Türkeiですので、ich fahre in die Türkei .となりnachは使えません。

他にも方位や家庭に向かう時もnachを使います。

Ich fahre nach Deutschland.私はドイツへ行きます。
Er geht nach Norden.彼は北へ行きます。
Ich gehe nach Hause.私は家に帰ります。

zuの特徴と例文

zuも方向性の前置詞です

一つの用法は「人に対して」

Er kommt zu mir. /Er kommt zu uns.彼は私の方へ来る。
彼は私たちのところへ来る。
Er geht zum Arzt.彼は医者へ行く。

■公共機関などの場所や建物へ向かって

Er geht zum(zu dem) Bahnhof.彼は駅へ行く。
Er geht zur (zu der) Bank. 彼は銀行へ行く。
Er geht zum (zu dem) Rathaus./auf dem RathausでもOK. 彼は市庁舎へ行く。
Er geht zur(zu der) Kirche.彼は教会へ行く。
Er geht zur (zu der) Schule.彼は学校へ行く。

これらzuを使って表現できる文章は、いったい何をしに駅や銀行、市役所へ行くのでしょうか?

それは「用事があるから」なのです。

次の文章を比較してみましょう。

Er geht ins(in das) Rathaus.市庁舎の建物の中へ行く
(目的はトイレかもしれない。誰かと待ち合わせかも?)
Er geht zum (zu dem) Rathaus.市庁舎へ用事があるので行く。
Er geht auf das Rathaus.市庁舎へ用事があるので行く。
場合によっては市庁舎の屋根の上に行くという意味も!
Sie geht in den Bahnhof. 駅の中へ行く。
駅の中の理容に行くのか?それとも新聞を買うのか?
Sie geht zum Bahnhof. 駅へ行く。
電車に乗る。切符を買う用事があるから。
Er geht zur(zu der) Kirche. 彼は教会へ行く。
お祈りに行く。懺悔に行く。
Er geht in die Kirche. 彼は教会へ行く。
教会の建物の中へ入って行く。

元々、銀行や市役所、郵便局に駅は、屋根がありませんでした。inを使えば、建物の中へ入るという意味が強くなり、用事を済ませる意味が消えてしまいます。教会も学校も、大切なのは建物じゃない、中身だという感じなのでしょう。ですのでzuを使って、「用事をしにいく」ということを含んだ表現をするのだと思います。


次回は、第136回「3格の前置詞~seit」

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