第249回「ちょっとした言葉~würzig」

きょうのまとめ

・würzigはどんな意味?

私の持っている辞書でwürzigを調べれば、「スパイスの効いた」という意味が最初に出てきます。もちろんその後には、「香りのよい」という意味も書かれています。

いつだったか、次の様な文章がありました。(本文はもう少し複雑でしたが)

In Deutschland schmeckt das Brot würzig.

この文章を訳す時に、ある人が「ドイツのパンは辛い」と訳していました。コショウのイメージから来たのでしょうか。ドイツ語の辛いは「scharf」という単語があります。これはトウガラシの辛いを意味します。

では、スパイシーと訳すのはどうでしょうか?もちろん、ドイツのパンには、香辛料のクミンが入っているようなパンもあります。würzigはGewürz/香辛料から来ていますが、ドイツパン全体の印象としては、「スパイシー」よりも「香ばしい」「香りがよい」と訳す方が適切ですね。日本のやわらかく白いパンに比べて、とても強く穀物のいい香りがします。

上にも書きましたが、ドイツ語で「辛い」はscharf.

しかし、ワインの辛口は trockenと言います。これは直訳すれば「乾燥している」という意味になります。

ワインを表現する時にもwürzigを使うことがあります。その場合はスパイシーと訳していいと思いますが、花のような甘い香りや、よくある単純な香りではなく、干し草や土臭い香りがするときにそういう表現を使いますので、würzigは少し大人の香りであり、癖のある方向へ向かった(臭いなど、悪い意味ではなく)ポジティブな状態の表現と言えるでしょう。

ちなみに日本のワサビもscharfで辛いを表現します。


次回は、第250回「ちょっとした言葉~viel oder viele?」

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