第297回「初級ドイツ語で読めるゲーテ魔王①」

今日のまとめ

・ゲーテの「魔王」

・意外と読みやすい文法

・4つに分けて読んでいきます「その1」

ゲーテの「魔王」

ゲーテの正式名はJohann Wolfgang von Goethe/ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。

1749~1832年 ドイツフランクフルト生まれ。

ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者、政治家、法律家など。作品には「若きウェルテルの悩み」「ヴィルヘルムマイスターの修行時代」「ファウスト」を始め、多くの詩や格言なども残している。

Erlkönig(魔王)はシューベルトだけではなく、レーヴェも作曲している。当初ゲーテはレーヴェの作品を気に入っていたので、シューベルトの曲は相手にされなかったという逸話もあります。

シューベルトは1815年、わずか18歳でこの曲を作曲しています。


意外と読みやすい文法

さてこの「魔王」は「ナレーター」「父」「息子」「魔王」と4人が登場します。一見難しそうに見えるのですが、実は意外と平易なドイツ語で読みやすいのです。一緒にチャレンジしていきましょう。4回に分けてみていきます。


Erlkönig 魔王

Wer reitet so spät durch Nacht und Wind?

誰が 馬を走らせていのだ こんなに夜遅く 夜、風の中で


Es ist der Vater mit seinem Kind;

それは父とその子供

Er hat den Knaben wohl in dem Arm,

彼は少年を腕の中で抱き

Er faßt ihn sicher, er hält ihn warm.

彼(父)はしっかりと(彼を抱き)、腕の中で(彼を)暖めている。

Mein Sohn, was birgst du so bang dein Gesicht? –

息子よ、何を不安そうに顔を隠しているのだ?

Siehst, Vater, du den Erlkönig nicht?

見えないのお父さん、魔王が?

Den Erlenkönig mit Kron’ und Schweif? –

冠としっぽがついた魔王を?

Mein Sohn, es ist ein Nebelstreif. –

息子よ、それは霧の流れだ。


次回は、第98回「初級ドイツ語で読めるゲーテ魔王②」

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