きょうのまとめ
・空間移動してる?してない? |
過去分詞の動詞はseinまたはhabenを取ります。空間移動をしている時にseinですね。しかし初心者の時、よくひっかかって間違える動詞があります。それがなぜなのか確認していきましょう。
●schlafen(空間移動しない)
einschlafenはseinを取ります。それは起きているところから寝入ってあちらの世界へ行くからです。しかし、schlafenはhabenです。なぜならずっと寝ている状態なので空間移動をしていないからです。
●wecken・aufwecken(空間移動しない)
起きるaufstehenはseinを取ります。それは寝ていたあちらの世界からこの世へ起きるからです。
wecken/aufweckenはhabenです。なぜなら、彼に起こされた私は空間移動しますが、起こした彼は起きたままはずっとこの世にいるからです。何も空間移動していませんね。
例 Er hat mich aufgeweckt./彼は私を起こした。
●reisen(空間移動する)
旅行はドイツから日本へ旅行するのは空間移動です。「旅に出るということは今生の別れ。もう生きて会うことはないだろう。」ですので空間移動です。最近はパックツアーで本人は椅子に座ったままバスが運んでくれるような時代になりました。なのでhabenを取るのでは?と勘違いされる方も多いのです。例 Er ist nach Japan gereist./彼は日本へ旅した。
しかしながら 旅行を名刺としてeine Reiseとすれば動詞はmachenです。この場合はmachenがhabenを取りますので、Er hat eine Reise nach Japan gemacht. /彼は日本への旅行をした。になります。
●schwimmen(する時としない時がある)
この動詞はseinとhabenの両方を取る特殊な動詞です。泳ぐという技術そのものを表現する場合や、ドーバー海峡を渡って泳ぐような時はsein動詞を取ります。命にかかわりますし、場所も移動します。しかし、プールを泳ぐというような時はhabenです。
例 Er ist über Donau geschwommen./彼はドナウ川を泳いだ。
Er hat im Geld geschwommen. /彼はたいへんな金持ちだ。
Er hat im Schwimmbad geschwommen./彼はプールで泳いだ。
人によってはseinとhabenが変わる時もありますし、両方OKな文章もありますので、その時々に考えて使わなければなりません。
●spielen(空間移動しない)
この単語で悩むのは、サッカーをspielenしている時ですね。あんなに走っているのにどうしてhabenなんだと思う方が多いようです。しかしサッカーの競技場の中だけを走っているので、どこまでやってもそこから出ることはないということで、habenというということでご理解ください。プールで泳ぐ時にhabenを取るのと同じ理屈です。
●geben(空間移動しない)
「与える」という動詞です。もちろんhabenを取ります。与えて空間移動しているものはプレゼントだったりします。しかし与えるという動作をしているのは私や彼ですので、その人は空間移動していませんね。 例 Er hat mir ein Brot gegeben./彼は私にパンを与えた。
●sein(空間移動する)
sein動詞なので、seinを取ると覚えてくださっていいのですが、
Er ist zu Hause gewesen. 「彼は家にいた。」と言う文章は空間移動していないじゃないか!と時々言われます。そうなんです。実際には空間移動していないのですが、seinなので仕方ないという部分と、「否定形になれば家からどこかに出て行って空間移動することになる。」と言う風にとらえる方といらっしゃいます。
それは、次のbleibenも同じなのです。
●bleiben(空間移動する)
上のseinと同じく Er ist zu Hause geblieben.とseinを取ります。「彼は家にとどまった」「家にいた」と訳します。これも、留まらなければ動くじゃないか!と考えていただければと思います。
●passieren と verschwinden(空間移動する)
こちらもこの世とあの世に区別できます。生じる、消えるというのは、手品のタネのように空間移動しているのです。私たちが見えないだけです。
passierenはなかったものが発生したのでsein。verschwindenはあったものが消えてなくなったのでやはりseinを取ります。
例 Der Unfall ist passiert. /事故が起きた。
Meine Tasche ist verschwunden./カバンが消えた。
これらに引っかかることなくseinを選ぶことができれば、過去分詞はもう怖くない・・・かもしれませんね。
次回は、第314回「過去分詞sein oder haben?練習①」